パソコンで動画を視聴する際、私は少し不便に感じていることがあります。
それはスピーカー。
外部スピーカーを繋いで大人にのみ許された禁断の映像を見ていると、そのスピーカーから恥ずかしい声が大音量で響き渡り、慌ててスピーカーのボリュームを絞ることがままあります。
あれってマジで焦りますよね。
むろん、家族にバレると家族会議は避けられません。
それどころか、ご近所さんにバレれようものならあっという間にその噂が広まり、町内会のおば様達から要注意人物としてマークされることでしょう。
とくに夏場は窓を開けることが多いので、スピーカーのボリュームを絞りに絞って禁断の映像を見る必要があります。
ですが、そんな蚊の鳴くような音で視聴したところで臨場感もなにもあったもんじゃありません。
仮に臨場感があったとしても、それは窓の外で交尾に励む本物の蚊の鳴き声ぐらいです。
つまり、結論を言うと、イヤホンかヘッドホンを使えば全てが解決。
家族がいきなり部屋のドアをガチャっと開けない限り、私の秘密が外部に漏れる恐れはありません。
これこそ鉄壁の防御と言えるのではないでしょうか。
なので私はさっそくAmazonでヘッドホンをポチりました。
イヤホンと迷ったのですが、ヘッドホンのほうが迫力のあるサウンドを楽しめそうですしね!
コードはなにかと煩わしいのでワイヤレスを選びました。
それがこちらです。

これは1万円でおつりかくるヘッドホンです。
私は本格的な音楽を聴くわけではないので、お値段がお手頃でそこそこ性能の良いものを選びました。
もっと安い中華の怪しいヘッドホンもありますが、できれば信頼のあるメーカーのものがいいですし。
なので皆さんご存知のAnkerです。
しかもこのヘッドホン、Amazonのレビューも高くYouTuberたちも大絶賛。
一応、サクラチェッカーにかけてみたのですが、サクラの心配は皆無でした。
さすがAnkerのヘッドホンといったところでしょうか。
ですが私はAmazonで鍛えられたひねくれ者ですので、ステマを疑いつつもポチってみたわけです。
それでもし、使い物にならないようであれば、Anker本社に不幸の手紙を添えて着払いで送り返してやるつもりでした。
しかし、実際にこのヘッドホンでサウンドを耳にした瞬間――。
私の邪推で汚れた心は、清涼なサウンドとともにかき消されていったのです。

まさにこんな感じです。
この清涼感のある画像からは、スケベなおっさんの『お』の字も見られません。
私はそれ目的でヘッドホンを買った自分がなんだか恥ずかしくなり、ヘッドホンをかけたまま小一時間ほど無の境地で座禅を組みました。
そしてアニソンメドレーを聴きながら悟ったのです。
この雑音がかき消された心地よい明瞭なサウンドは、ノイズキャンセリングのおかげであると。
そう、ノイズキャンセリングです。
正式名称はアクティブノイズキャンセリング(ANC)。
アップルのお高いワイヤレスイヤホン、「AirPods Pro」で注目を集めた、周囲のノイズを打ち消す機能と同じです。
それがこのAnker Soundcore Life Q30に搭載されています。
まあ、今となってはそれほど珍しい機能ではないのですが、これがあるのとないのとでは大違い。
ANCを発動した状態でヘッドホンをかけると、水を打ったようにすーっと雑音がかき消されます。
私の加齢臭漂う部屋には空気清浄機を設置しているのですが、そのボーっという作動音がほぼ聞こえなくなりました。
なので、歌手の繊細な息づかいや音楽そのものを、明瞭なサウンドとして頭の中で奏でることができるんです。
いや、すごいですよマジで。
ANCのおかけもありますが、ヘッドホンの音質そのものがいいんだと思います。
Ankerは低音と高音が強調されたドンシャリ系と言われることが多いですが、私が聴いた感じでは、バランスの取れたややマイルドなサウンドなので耳疲れするようなことはありません。
もちろん、3万円とかそれ以上のヘッドホンには音質で負けると思いますが、この価格帯にしては文句のつけようがない仕上がりになっているのではないでしょうか。
しかもBluetoothのくせに遅延がほぼ皆無。
スマホとPCの両方で動画を確かめましたが、人の声が口パクに見えるようなことはありませんでした。
スマホはpixel4aでBluetooth5.0、対応コーデックはACCで接続。
PCはTP-LinkのBluetoothアダプタを使い、対応コーデックはSBCでの接続。
ヘッドホン側はBluetooth5.0なので、TP-LinkのBluetoothアダプタを使うと下位互換となってしまうのですが、スマホと同様になんら問題はありません。
試しにヘッドホンをかけて二階の自室から一階(二階建ての普通の一軒家)をうろちょろしましたが、Bluetoothの接続は常に安定していましたね。
ちなみに対応コーデックとは、Bluetoothで音声を無線伝送する際に使用する「音声圧縮変換方式」のことです。
標準のコーデックのSBCは遅延しやすいと言われていますが、私の環境では問題ありませんでした。
それと、Bluetoothアダプタは5.0も販売されているのですが、どれも怪しい中華製ばかりでサクラチェッカーを見ると買う気になれません。
なので私はあえてBluetooth4.0のUB400を使っています。
というか、TP-Linkも中華製なわけですが、ロングセラーのUB400に関してはまず心配ないでしょう。
それにしても、どうして有名メーカーはBluetooth5.0のアダプタを販売しないのでしょう……(謎)。
ヘッドホンの話に戻ります。
Anker Soundcore Life Q30のスペック
ノイズキャンセリング | ANC(外音のノイズを消す) |
外音取り込み | あり |
接続 | ワイヤレス(Bluetooth5.0) |
ANC有効再生時間 | 40時間 |
機能OFF再生時間 | 60時間 |
充電 | Type-C |
重さ | 約260g |
対応コーデック | AAC、SBC |
ハンズフリー通話 | 対応 |
ケース | ハードケース付き |

箱の中身は、ヘッドホン本体、ケース、充電ケーブル、有線接続も可能な3.5mm AUXケーブル。
初期ロットは少し豪華な四角いケースだったようですね。
そのせいで現在のケースは不評も多かったみたいです。
私は全然気になりませんけど。
各部外観と専用アプリ

左側がANCの切り替えボタンと電源ボタン、充電差し込み口。
右側が音量ボタン関係とAUXケーブルの差し込み口です。
ANCのボタン操作に関しては、ノイズキャンセリングのないノーマルモード、ノイズキャンセリングモード、そして外音取り込みモードの三つです。
スマホの専用アプリ「Soundcore」を使えば、さらに細かい設定が可能となっています。

【交通機関モード】
乗り物のエンジン音や路面騒音などの低周波ノイズを最小限に抑えるモード。
【屋内モード】
カフェなどの室内空間での周囲の声や足音などの中周波ノイズを低減するモード。
【屋外モード】
自動車の走行音や風の音など外出先での周囲のノイズを低減するモード。


イコライザーのプリセットも豊富でカスタムも可能。
これだけの機能があればお好みのサウンドで音楽を楽しめますね。
ただ残念なことに、このSoundcoreのアプリはスマホでしか使うことができません。
Androidのエミュレーターを使えばPCでも使えると思ったのですが、私にはそれが無理でした。
アプリをPCに落としても動作しないんですよね。
もしかしたらうまいやり方があるのかもしれません。

マイク用の小さい穴が両サイドに開いています。
外音取り込みモードはこのマイクの穴から外の音を取り込むらしいです。
マイクを通すと少し機械的な音に聞こえるかもしれませんが、私はそれほど気にはなりませんでした。
なんにせよ、この外音取り込みモードは大変役に立ちます。
ノイズキャンセリングをかけていると周囲の音があまり聞こえないので、家族が部屋に近づく物音を察知することができません。
つまり、禁断の映像を見ているときに危険を察知することができないんです。
ですが、外音取り込みモードにしておけばもう大丈夫。
私は心置きなくスケベなおっさんに成り下がることができるでしょう。

オーバーイヤー型のイヤーカップはフカフカしており、側圧で耳が痛くなることはありません。
ヘッドバンドのクッションも柔らかいので、頭頂部が寂しい私にも優しい設計となっています。
最後になりますが、Anker Soundcore Life Q30は自信を持っておすすめできる商品です。
AmazonレビューやYouTuberがこぞって絶賛する理由もうなずけますね。
耳の肥えた音楽マニアには物足りないのかもしれませんが、動画の視聴など普通の使い方をするのであれば、この価格帯では最強のヘッドホンだと思います。
本当に買ってよかった!
まとめ
Ankerさん、ごめんなさい。
私は賢者になってしまいました。